超高感度

オリジナル天秤の製作

超遠投用Y式遊動天秤




■用意するもの
  • ステンレス線(0.8〜1ミリ)
  • ナツメ型オモリ又は弾丸オモリ
  • 改造ペンチ又はリング製作できるもの
  • ステンレス線を切るニッパーなど
  • ステンレス用半田ごて
  • ステンレス用ハンダ(すず60%)
  • ステンレス用ハンダ付け促進剤
  • 半だこて台
  • ステンレス用ヤスリ
 
※改造ペンチについて
DIY等の市販ペンチを改造しました。
先端部はミニルーターなどを使用し大まかにカットします。その後金属ヤスリで
加工処理します。先端の経は、天秤本体の輪になる部分の大きさですのであまり太すぎても細すぎても具合が悪いので、実際に試しながら調整します。

【1】



   
  
■【1】 ステンレス線(1ミリ)加工

道糸側を40ミリ(30ミリ+リング分10ミリ)残し写真のようなループ(A)をWで作り、仕掛け側は125ミリ(115ミリ+リング分10ミリ)になるようにステンレス線をカットします。(弾丸オモリを使う場合は115ミリ部分を130ミリにします。)この時のループ方向に注意してください。


  ■(A)の角度調整と折り曲げ
作ったWループ(A)に対して垂直になるよう短い方のアームを外側に曲げます。その後Wループを中心に本線を左下の写真の状態まで130度位に曲げますが、右下の写真のように線の方の外角が広くならない様に注意します。
これを誤ってしまうと、トラブルのもとになってしまいます。

ステン線の巻き方向に注意してください
フレーム
この角度への折り曲げは誤りです



【3】





■【3】ナツメオモリの加工
適当な長さの余ったステンレス線を加工してナツメオモリに差し込み、2センチほどカットしてでくるだけ小さく巻き込みオモリ側へたたき込みます。

使用するステンレス線は、安全上1ミリ以上の物が好ましいのではないかと思います。
弾丸オモリでしたらそのまま使えます





【2】

左側(道糸側になります)のリング経は少し大きくなっています
  ■【2】オモリステーの加工
ステンレス線は0.8〜1ミリの物を使用します。
写真のステン線の左側が天秤の上になります。
注意する事は上の工程で作ったオモリのリングが小さい場合は必ず先にステンレス線を通してから加工する事と、両側に作るリングが同じ面を向いている点です。
27号以上のオモリを使用し、0.8ミリのステンレス線で加工する場合は、強度の問題上上部側リング(写真左側)はWで加工した方が良いと思います。
1ミリのステン線を使用した場合は、今のところシングルリングでもトラブルがでていません。仕掛け側(右側)のリングは補助的なものですので10ミリシングルで良いと思います。
左側のリング部加工には15ミリ、Wの場合は20ミリ以上必要です。1ミリ線の場合(15+40+35+10)ミリのステン線で加工します。
加工後は両側のリング根本をハンダ付けします
弾丸オモリの場合は35ミリの部分を30ミリで加工します。

■オモリステーの折り曲げ
上部リング(経の大きい方)を約90度に、本線をくの字に曲げます。
このとき注意する点がありますので、下の工程を参考にして進めてください。




★★★



※誤った折り曲げ方での組み合わせ
※オモリ側(B)のリングが遠投時に(A)部分に食い込んでしまいます。
■組み立て
本線とオモリステーを組み合わせます。
オモリステーの上リングは、向こう側に巻いている事、本線は写真の方向に巻いている事に注意します。この組み合わせを間違えると、オモリステーが本線のバネ部分に食い込んでしまい、遊動効果が無くなってしまいます。(左下の写真が曲げを間違って組み合わせた場合です)下の写真のを参考にしてください。

組み合わせを確認したら本線の両端にリングを作りハンダ付けをします。


 ■道糸側から見るとこんな感じになっていればOKです。
 完成です

私が考案した【超遠投用Y式遊動天秤】を公開致します

少しでも遠くに投げる事が出来て、シロギスの心地よいアタリをもっと味わえれば…と、試行錯誤の末に完成した自信作です。

オモリが着水後海底に着くと上下左右360度方向の遊動状態でのアタリ待ちになります。
てこの原理も採用してありますのでサビキ中のアタリでは、魚が左右に仕掛けを持って行ったり、上へ食いあげた場合であっても、アタリを増幅してくれます。一般的な遊動仕掛けよりかなり大きなアタリを感じると思います。

遠投効果としては飛距離が伸びるのを実感出来ると思います。一般オモリの30号を使用した時の飛距離なら、25号のナツメオモリで製作した【Y式遊動天秤】でほぼ同じ飛距離を稼ぐ事が出来ました。
2006年夏に試作品を地元キャスターに試してもらった所、皆さんから「良く飛ぶ!」「アタリがでかい」という感想を頂きました。

試作当初は、空気抵抗を減らすため全体を小型化した事により、仕掛けが絡みやすいという問題があるのも事実でした。その後、オモリステーと本線の長さの兼ね合いなどを考慮しながら徐々に解決し、現在に至りました。

「強風・シケ気味の場合は仕方なし」として絡み具合を観察した結果、仕掛けの絡みが多いキャスターは「オーバースロー」気味の場合が多く、V字〜回転投げの場合はほとんどトラブルが無くなりました。私の場合、実釣で6本針〜、4メートル近い仕掛けでもシケの時以外絡みはまずありません。

アタリの鮮明さは、潮の状況によっても違いますが市販天秤よりは遙かに優れていると思います。ピンギスのアタリにあわてて大合わせをしてしまった…という方もいました。
但し、潮が速く、仕掛けが押されてくるような時はあまり効果は見られませんでした。

以前ご紹介した「超遠投逆Y天秤」に遊動天秤の要素を組み合わせたタイプのこの天秤は、底の状態や前アタリ等の情報が多くなり、サビキ方や合わせ方に少しコツが必要になります。
遊動効果が高いため、「待ち釣り」に使用した場合は食い込みなどの点から、小さめのキスの釣果が落ちる傾向があります。大きいサイズはかなり有効です。
サビキ釣りの際のコツは「テンション・ゼロ釣法」って感じです。


 材料費も安く、製作は大変そうに見えても一寸慣れれば一つ作るのに10分程度で出来てしまいますので 興味のある方は是非お試し下さい。ご意見ご感想などを頂けたら幸いです。

海底の状況や、潮流・潮向などの条件によっては、一般のオモリでも共通することとは思いますが、巻き上げが重くなってしまい、サビキ感が大変悪くなってしまう事がありますので、状況に応じてご使用下さい。
底の砂が軟らかい場所や払い出し(離岸流)付近で30号以上を使用した場合、砂に潜ってしまったかのような感触は特に影響してしまいます。

釣り倶楽部ロゴ

直線上に配置